タイトルの通り今年もベルマーレのシーズンプレビューを書いてみようと思います。年明けくらいからどうしようかと考えていたのですが、先日の新体制発表会見を見ていてプロットが何となく浮かんできたので、形にしておこうかなと考えた次第です。

〇今季開幕時予想陣容

PLAN-A
湘南352

スタメン起用の可能性が高い選手のみ抜粋しています。

〇リーグ戦はフライングスタートを
 基本的に開幕時点では昨季の並びがベースでしょう。今オフは流出を最小限に抑えられたので、他チームが構築中の段階でいきなりトップギアに入れられるのが今春湘南の強みです。いわばレースでフライング出来るような状況なので、この強みを活かさない手はありません。実績のある永木や瀬川、米本についてはスタメンに入ってくれば心強いとは思いますが、せっかく完成度で先行した状態からスタート出来るので、まずは完成度で上回る布陣とメンバーでスタートを切ると予想します。
しかし上図を作る時に選手を並べるのが去年より数倍楽でしたね。改めて昨シーズンとは全く違うスタートになると思います。

PLAN-B
湘南4321
こちらは個人的な提案です。
山口監督はG大阪での現役時代3バック・4バック両方の経験があるので、4バックを選択肢に入れる可能性は十分にあるでしょう。ただ現在の湘南の編成だとトップ下適正の選手が見当たらず、3トップや4-4-2では攻撃的なサイドプレイヤーが不足します。
そこで提案したいのが4-3-2-1(所謂クリスマスツリー)ですね。
今季加入の永木と米本を活かしつつ聡を本来の適正ポジションに置くのが一番の狙いです。ワントップはウェリと町野を候補とし、2シャドーは3-3-2-2の時よりもFW的な動きを求められるので茨田より平岡、平岡より瀬川&タリクです。
各ポジションに適材適所で選手を並べつつ3-3-2-2とは違う持ち味を出せると思うので、新加入選手がフィットしてくるであろう夏以降に見られたら面白いなと思います。

〇FWの陣容
●ウェリントンの起用法は
 FW陣の軸になるのは昨年同様エースのウェリントンでしょう。ただし90分フル稼働が難しいので、山口監督が志向する先行逃げ切り狙いに合わせてスタメン起用するのか、スーパーサブとしてオープンな展開に合わせて投入するのかは改めて考えていく必要があります。機能性を考えるなら今の湘南はある程度戦術的に攻めることが出来るチームになっているので中盤が疲労してシンプルな展開に頼らざるを得なくなる終盤の投入が有効かと思いますが、野球と違い一発逆転が無くロースコアでゲームが進むサッカーでは先制点が非常に大事なのも事実です。個人的にはスーパーサブ起用を推奨しますが、コレに関してはどちらかが絶対的な正解ということではなく、山口監督の判断を尊重すべきでしょう。

●最重要なのはFW2番手
 ウェリは年間通して出場すれば二桁あるいはそれに近い得点数を計算出来る選手なので、重要なのはその次のFWですね。ウェリのフル出場が少ないことを考えるとおそらくこの枠に入る選手が起用の上ではFW陣の軸になります。候補は町野と大橋、それからタリクです。最高火力が出るのはタリクでしょうね。やはりキャリアは嘘をつかず、総合力ではFW陣トップかと思います。ただ、気がかりなのはやはり稼働率です。加入2年間出場すれば一定のパフォーマンスを見せているものの、残念ながら出場時間を加味すると外国人枠や年俸に値する活躍をしているとは言い難いのが実情です。今季順位と共に重要となる継続性を考えても毎試合タリクの出場可否をチラチラ気にしながら1年を送るよりは、町野大橋のどちらかが新エースとして名乗りを上げて欲しいのが監督の本音ではないでしょうか。

●注目の瀬川はIH起用?
 気になるのはFWとしてウェリに次ぐ実績を持つ瀬川ですが、前述の4人が揃うFWよりは名古の抜けたIHでシーズンをスタートする可能性が高いと考えています。タリクと大橋もIHに対応出来るので必ずしもFW起用を避ける必要は無いのですが、昨年の完成度を保ってシーズンをスタートすることを考えると、少なくとも開幕からFWの軸に据えるよりはベンチメンバーとして様子を見ていく可能性が高いのではないでしょうか。とはいえ瀬川がチーム屈指の実力者であることは間違い無いので、タリクの離脱や平岡・茨田の好調、補強が目立った中盤の構成変更等が絡んでくれば状況は変わってくるでしょう。

●大和と新卒組はまずカップ戦のベンチ入り争いから
 ここまで挙げた5人と比較すると大和と新卒FW陣はまずベンチ争いからスタートすることになるかと思います。ベンチの枠を考えるとFW専門の選手に使える枠は1~2枠なので、瀬川を中盤に数えてもウェリ・タリク・町野・大橋に何も無ければ枠がありません。まずはカップ戦で出場時間を確保し、主力の離脱等によるチャンスを逃さずアピール出来るかが勝負でしょう。
逆に現時点で一定の地位にいる主力4人がルーキーズからベンチ入りを奪われるようであれば一気に出番を減らすことになるので、最速で今夏の移籍も視野に入ってくるように思います。

〇インサイドハーフ(IH)の陣容
●絶対的な柱は不在
 基本的に一長一短で尖った特徴を持つ選手もいないので、開幕は無難に昨シーズンと同じような序列で迎えると考えています。優先になりそうなのは1人が茨田ですね。攻守のバランス感覚に優れ技術も確かですし、貴重なプレイスキッカーでもあるので痒い所に手が届く選手です。次点が平岡。茨田よりも攻撃面でのアイデアに優れ、アタッキングサードでのプレイで上回ります。湘南のIHは守備のタスクも多いので無理に新戦力を絡めるよりは昨年一定のクオリティを見せた2人で開幕するのが丸いかなと思います。

●FWとアンカーから玉突きの可能性も
 IHに関しては絶対的な人材がいないので、前後のポジションからスライドしてくる可能性もあります。特に気になるのが田中聡の起用です。聡は昨季アンカーに定着しましたが本来は4-4-2のボランチや4-3-3のIHで運動量を要求された方が活きる選手のように見え、現在の3-3-2-2では最適なポジションが無い中でも選手としてのスペックと積み重ねた戦術理解でポジションを得たように思います。従って元々がアンカーでこそという選手ではなく本職IH陣と比較しても同等以上の攻撃力を有するので、永木と米本という実績抜群のアンカー候補が加わった今季は主戦場をIHに移す可能性も十分にあるでしょう。
また、FWからのスライドでタリクという選択肢もあります。ただしこちらは本人の適正による聡とは違い、町野や大橋が予想以上の活躍をしてタリクを使う為にはIHしかないという状況が想定されますね。

●気になる池田の存在
 IH候補のうち気になるのが池田です。技術・フィジカル面で明確なストロングが無いので正直言って今季の陣容でスタメン候補として数えるのは難しいところですが、特筆すべきポリバレント特性と戦術理解があるのでベンチメンバーとしては非常に魅力的です。例えば昨季山口監督就任直後のハイペースゲーム採用時はスタメン選手の疲労が目立つゲーム状況になっても交替先が無いという場面が多々ありましたが、池田がベンチにいるだけでその問題の半分以上が解決するでしょう。山口監督が池田をどう評価するかは今季注目すべきポイントの1つだと思います。

〇アンカーの陣容
●人材過多
 失礼承知で言うのなら、湘南に似合わない言葉が出てきてしまいましたね。ACL不参加のアンカー採用チームの中ではトップクラスの陣容ではないでしょうか。開幕時のファーストチョイスは昨季定着した田中聡になるでしょうが、実績・実力共に確実に計算出来る永木と米本の加入で他ポジションと比較して明らかに分厚い陣容となりました。単純に戦力値だけを考えるのであれば非常に心強いメンバーが揃いましたね。
ただ、やはりACL不参加のチームとしては人材過多です。層が厚いのは良いことですが、人材過多もそれはそれで監督に負担がかかります。特に心配されるのが米本ですね。米本は明らかに長谷川監督から離れる為のレンタル移籍なので来オフの名古屋退団は既定路線ですが、今季の起用法次第で湘南残留か他チーム移籍かが変わってくるでしょう。聡の流出も既にカウントダウンが始まっていると考えれば米本は何とか完全移籍へ移行したい人材ですし、山口監督としては前述のポジション移動等も考慮していく難しい舵取りになると予想されます。

●田中聡「から」の卒業準備を
 多くのサポーターが覚悟している通り、田中聡は遅くともパリ五輪終了のタイミングで海外移籍を目指すことになるでしょう。そこに関して聡本人はただ成長することが卒業準備になりますが、問題は湘南ベルマーレの卒業準備です。聡は今季もアンカーで不動となるかは分かりませんが、ポジションがどこになるにせよ今季も主力として活躍することになると考えられます。その中でコンディションを見極めながらベテランの2人に頼りつつ、レンタル中の柴田らを含め新たなバランスを構築していくのが山口監督とフロントにとって今後2年の難しくも重要な仕事となるでしょう。そういう意味で特に聡流出直後の混乱を抑える為にやはり米本の起用法には注意を払いたいところです。 

〇WBの陣容
●安定の2人
 開幕時はやはり昨年と同様に右に岡本、左に畑という並びが軸になると考えています。特に畑は湘南では珍しい明確なストロングを持つ選手なので、代表活動等による稼働率に注意しつつもWBのファーストチョイスとして主力選手としての飛躍を目指すことになるでしょう。右も攻守に目立つ弱点が無く周囲との連携も安定している岡本が軸になるでしょう。

●岡本からの卒業はいつか
 先程「目立つ弱点が無い」と書いた通り、岡本はメンタル90点他大体70点のバランスが良い選手です。しかし本来サイドは攻守に1vs1の局面が出来やすい為に、「目立つ長所が欲しい」ポジションとなります。現在のところしっかりと攻守のタスクをこなしてくれる岡本に特段の不満はありませんが、今後上位を目指していくのであればどこかで岡本からは卒業することになるでしょう。今季陣容に明確な後継者候補は見当たりませんが、一旦ビハインド時のオプションとして瀬川や大和らの起用を考えてみるのは面白いかもしれません。

●左利きの不足をどう補うか
 古林の残留や兼任可能な選手の多さもあって数自体に不足感はあまりないWBですが、気になるのが左利きの少なさです。近年は逆足のサイドプレイヤーが増えておりLWBに左利きが絶対という時代ではありませんが4-4-2のSHや4-3-3のWGと比べWBはやはり外足でのクロスが武器になることは多く、特にウェリを有する湘南ではその存在が重要です。現陣容でも左利きのLWBとして高橋がいますが、昨季終盤出番を減らしていたことを考えるともう少しバリエーションを作っておきたい所です。
候補になるのはやはり杉岡でしょう。元々LSBの杉岡は攻守に加えスタミナにも明確なストロングポイントを持ち、能力的に全く問題はありません。幸いLCBには昨季前半戦大活躍の大野と実績抜群で昨季終盤非常に頼りになった山本がいて分厚いポジションなのも杉岡のWB起用を後押しするのではないでしょうか。CB陣の状況にもよりますが畑のRWB起用等も含め起用の幅を広げていけると山口監督の助けになるかと思います。

〇CBの陣容
●ほぼ昨季の6人でOK
 例によって昨年と同じメンバーを軸として開幕すると考えています。絶対のファーストチョイスと言えるのが杉岡ですね。昨夏の加入直後から明らかに1段上のスペックを持ち戦術的にもすぐ順応した杉岡については、怪我やターンオーバー以外で外せないでしょう。そして中央には昨季夏頃から大きく飛躍した大岩、RCBには昨季終盤ポジションを掴んだ舘が中心になるかと思います。加えて大野・広教・山本とレギュラー陣と比べても遜色無い選手が左右中央各ポジションに控えている為、余程の事態にならない限りまずこの6人で回せるでしょう。CBは昨季の陣容からそのままの引継ぎとなるので、大野と舘のコンディション次第では杉岡や広教のWB起用を考える余裕も出てきそうですね。

〇GKの陣容
●谷のレンタル延長で一旦の目途
 谷の残留で特にコメントするような事態にはなりませんでした。今季はWCへの出場に繋がるような活躍を期待しています。第二GKの冨居も残留したので湘南が今季GKから崩れるイメージは沸きません。

●GKは短期的視野で常に補充の準備を
 前に質問箱でも書いたと思いますが、財力が無いチームが1つしかポジションが無く絶対的な実力者の価値が高いGKの陣容を長期的に考えるのは不可能です。谷も近々国内外移籍なりG大阪復帰なり流出することになるでしょう。しかしだからといって有望株を試合に出られない状況で囲うことも狙って下部組織で準備することも不可能ですし、マーケット毎に都度都度状況に対応するしかありません。今後も谷流出時に備えフロントは徹底したスカウティング、特にJ1チームの第二GKで獲得可能な人材をリストアップしておくことが大切だと思います。

〇編成総評
 今オフ湘南ベルマーレの編成についてはほぼ満点と言っていいでしょう。主力の残留や永木の復帰に注目が集まっていますが、個人的には特に瀬川の獲得と大和の復帰を高く評価しています。町野や大橋は良い選手ですが、そうは言っても昨季両者4得点(町野は肩で+1)。J1でスタメンを張るストライカーとしては現状落第点です。ファンやサポーターが既存選手に期待したり愛着を持つのは当然ですが、だからといって「期待」や「愛着」を免罪符に年間僅か36得点の攻撃陣にテコ入れをしないようではフロントの仕事として不十分でしょう。そこに実績も実力もある瀬川と、高卒即海外のポテンシャルを持つ大和を加えられたことは、空いた穴を埋めることで精いっぱいだった昨季までとは全く意味合いの違うチーム作りになったなと感じています。まぁ個人的には昨季こそそれをやって欲しかったと思いますが、「今更なんてことは何も無い」というのが私の考えですので、今季のフロントは感情は別として評価しています。
ただ、1つケチをつけるなら、このタイミングでクラウドファンディングはどうなんでしょうね。割と大盤振る舞いに見えたマーケットの直後にというのは、サポーターからすれば「この陣容なら金出すよ」かもしれませんが、スポンサーや金融機関からすると印象が悪いのではと思います。

〇目標順位について
 山口監督は新体制発表会見にて目標を5位以内に設定していましたが、この場合の目標をシーズンの成功・失敗を分けるラインとするのなら現実的な目標は一桁順位と考えておくべきでしょう。
今季の陣容であれば一桁順位なら成功、二桁順位なら失敗という目標設定であまり異論は出ないかと思います。5位以内は実現すればお祭り騒ぎの大成功ですね。

〇目標得点数について
 45~50得点という目標を合わせて宣言していましたが、これはかなり厳しめの目標設定と言えるでしょう。確かに昨季50得点を達成したのは上位4チームのみであり5位を目標とするのであれば必要な数字とも言えますが、これは絶対的エースが1人もしくは2人以上の二桁得点者が必要になるラインと考えます。
具体例として昨季得点数1位の横浜Mは二桁得点者が3人いて1人は得点王の前田大然、得点数2位の川崎Fは二桁得点者が2人いて1人は同じく得点王のダミアン。更に5得点以上は両チーム7人を抱えています。加えて川崎Fに至ってはリーグ唯一の2桁アシストを記録した山根もいたりと、この2チームはチーム全体での得点機数も決定力も段違いです。
この通り記録的な得点数を稼いだ上位2チームは別としても4位の鹿島は上田と荒木の2人が2桁得点。3位の神戸は二桁得点が1人だけでしたが、その1人が半年で15点を荒稼ぎして欧州へ渡った古橋でした。

〇50得点に向けて
 上位チームが明確な得点源を有しているのに対し湘南は二桁得点者が0人、5得点以上も2人だけ。正直言って寂し過ぎる数字です。今オフ実績のあるFWの補強として瀬川が加わったものの、昨季は出場機会に恵まれなかったこともあり2得点のみ。若月も一応1年のプロキャリアがあるとはいえスイスで特に目立つ数字を残してはおらず、高卒2年目ということを考慮すれば新卒と同等と考えておくべきでしょう。そして残りのFW補強は新卒選手のみです。
となると上積みを期待すべきなのは既存戦力になりますね。特に昨季とは違い開幕からのフル稼働が期待されるウェリントンと、昨季4得点の大橋・町野の3人に期待せざるを得ないでしょう。
(※昨季町野は肩で+1得点)
50得点のラインに乗せるにはこの3人のうち2人が二桁得点は最低条件かと思います。そこにチームの持ち味である後方からの攻撃参加により中盤から5得点以上が2人出て、上位4人で30得点を越えて来るようなら目標達成の可能性が出てくるだろうというところですかね。無論達成の可能性は現状かなり低いですが、50得点という目標がそれだけ高いハードルだということです。

〇課題は得点力だけではない
 ここまで得点数について書いてきましたが、勘違いしてはいけないのが湘南が5位以内を目指すのであれば守備力も昨シーズンのレベルでは不足だということです。湘南は順位に対し失点数が非常に少ないと評価されていましたがそれはあくまで残留争いのチームとしての話です。昨シーズンの失点数は9位であり、5位のラインはまだ遠くにあります。得点力アップ・50得点といった目標に釣られて守備のバランスを崩してしまえば本来の持ち味を失い昨シーズンと同様降格ラインに煽られる可能性もあるので注意が必要です。

〇リーグ戦は先行逃げ切りを
 先程も触れた通り、今季湘南の一番の武器は主力のほぼ全員が残留したことによる継続性でしょう。他のチームがスタメンを数人入れ替えて多かれ少なかれ手探りの部分を残して開幕を迎える中で、湘南はいきなり昨季終盤以上の状態からスタートを切れます。これがどれだけ大きなアドバンテージかは昨季逆の立場で苦しんだベルマーレのサポーターなら理解出来るのではないでしょうか。序盤戦のうちに完成度の差でリードを奪い、財力で勝るチームの追い上げから序盤の貯金で逃げ切る。これが今季湘南が狙うべきシナリオだと考えています。

〇焦らずにチーム作りを
 私は先程4バックを提案しましたが、山口監督の中にも昨季終盤に妥協したハイペースゲームを含めやりたいことはあると思います。ですが先程書いた通り今季湘南の最大の武器は継続性であり、新たな戦術の導入や新戦力のフィットを急ぎ過ぎて完成度を下げてしまうとせっかくのアドバンテージを失うことになりかねません。残留を確実なものとする為にも序盤はグッと我慢し昨季からの継続を武器に勝ち点で先行することを第一に、ある程度勝ち点の計算が立ってきたタイミングや代表ウィークによる長めの中断等を用いて新戦術・新戦力の導入を進めるべきでしょう。個人的には少なくとも開幕2ヵ月程度は昨シーズン終盤の戦い方を優先すべきと考えます。

〇地に足を着けた1年に
 以上より5位以内&50得点という目標は今シーズンの最高値と位置付け、翌シーズンに繋がる1年を目指すべきだと思います。チーム至上最高クラスの陣容とはいえ今後時間と共に流出の可能性が上がっていく田中聡や起用法により将来が変わりそうな米本、チームトップレベルの実力者ながら年齢的にあまり依存出来ないウェリントンや永木等、近未来への課題は少なくありません。無理をすれば今季の順位を1つ2つ上げられるかもしれませんが、残留安全圏の確保さえ出来ればあとは昨季同様に1つずつの積み重ねを優先して良いのではないでしょうか。

〇狙うなら天皇杯か
 あくまで最優先ターゲットは安全圏での残留です。その中でもし無理をするなら積み重ねの過程でトーナメント終盤まで勝ち残れた場合に絞りたいところですね。特に少しの運も絡めばジャイアントキリングを起こしやすい一発勝負の天皇杯は狙い目です。タイトルは現実的に今季の目標にはなりませんが、もしタイトルに望みを残すのであればトーナメントになります。そしてもしチャンスが着た時トーナメントに注力する為にもやはりリーグ戦は序盤で安全圏まで逃げ切ってしまいたい所ですね。

とはいえしつこいようですが、最優先は安全圏での残留です。あくまでトーナメントは上手くいった時のオマケと考え、前述の通り山口監督には優先順位を定めての舵取りをお願いしたいですね。あくまで地に足を着けた舵取りで降格の恐怖とは無縁の1年になればいいのではないかと思います。


 今回は以上です。今オフは入れ替えが少なかったこともあってシーズンプレビューを書くのには困りませんでしたが、湘南ベルマーレに関してそれなりにボリュームのある記事はもう何度も書けないでしょうね。
山口監督体制でのスタートとなる今季は浮嶋さんの時とは違い戦術的な推測も立ちませんし、川崎F以外は分析する程の試合数を観る予定も無いので仕方のないことです。湘南ベルマーレをきっかけに読者となって頂いた方々にはご寛恕願いたいと思います。

今後は今まで以上に昨季開設したサッカー関連HPであるFootball training catalogの方へ注力し、プレイヤーや指導者、サポーターの後押しとなる記事を書いていきたいですね。浮嶋さんから受け取ったものについてはそちらで少しずつでも還元出来るよう微力を尽くします。